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クリアブラケットSL+臨床レポート


クリアブラケットを使用したII級咬合症例
カノミ矯正・小児歯科クリニック
歯科医師 嘉ノ海 龍三
歯科医師 中川 公貴

私がデンツプライ三金の矯正製品と始めて出会ったのは開業医となったころで、以来27年以上、愛用している。また、クリアブラケットの開発段階から今日まで、クリアスナップ、クリアボタン等様々な製品開発に参加・協力し多方面から臨床的検証を行ってきた。
さて、今回はクリアブラケットSL+を使用したU級咬合治療症例について紹介したい。

U級咬合の治療は、下顎の成長に助けられると治療はかなり楽になるが、矯正医にとって下顎の成長を予測することや、コントロールすることは至難の業となる。しかしながら、経験豊富な矯正医は、患者の成長を予測しながら治療を行っているのが現状である。
私はできるだけ時期(Dental stage)の違う2枚の頭部エックス線規格写真を使用して、診断を立てるようにしており、今回のこの症例も患者の10歳時の資料を活用して、成長方向と量を考慮して診断と治療計画を立案した。
 
ドクター画像
嘉ノ海 龍三先生  


ドクター画像
中川 公貴先生  



現症
矯正治療開始時の年齢は12歳9ヶ月
口腔内所見:上顎犬歯の低位唇側転位を伴った上顎前突を呈し、overjet 6.0mm,overbite 4.0mmで高口蓋を認めた。またdental age IIIC、臼歯関係は両側ともアングルU級、犬歯関係も両側U級、上顎右側第二大臼歯は未萌出であったが上顎左側第二大臼歯と下顎両側第二大臼歯は萌出を開始し、上下顎前歯部に叢生を認めた。

パノラマエックス線所見:上顎左側第二大臼歯は存在し、上下両側第三大臼歯の歯胚を認めた。

側面セファログラム所見:SNAは82.5゚、SNBは78.5゚、ANBは4.0゚で上下の顎関係は骨格的に軽度のU級を呈していた。またU1 to Naは30.0゚、L1 to NBは32.0゚と上下顎前歯は唇側傾斜を示していた。

診断および治療方針
上顎犬歯の低位唇側転位を伴うSkeletal ClassII Angle ClassII div.1と診断した。叢生、上下顎前歯の唇側傾斜とU級の臼歯関係を改善のために上顎をR.P.Eにて拡大後、上顎両側第一臼歯、下顎両側第二小臼歯を抜去して矯正治療を行うこととした。

治療経過
R.P.E.にて上顎を拡大後、ブラケットはクリアブラケットSL+ゴールドスロットの018”x025”スロットにてストレートエッジワイズ装置を装着し通法のステップに従い矯正治療を進めた。Levelingの後で上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯を抜去した。その後、J-hook head gearやU級ゴムを併用しながら上下歯列のアライメントを行った。 動的治療期間は2年10ヶ月であった。
  初診時
初診時の画像

初診時の画像2

治療結果
I 動的治療終了時
口腔内所見:臼歯関係、犬歯関係がともにアングルT級となり適正なoverjet,overbiteと良好な咬合関係が獲得された。

パノラマエックス線所見:下顎両側第一大臼歯にわずかな近心傾斜を認めたが、歯根の平行性はほぼ良好なものとなった。

側面セファログラム所見:SNAが82.5゚から82.0゚に、SNBが78.5゚から79.0゚に変化してANBは4.0゚から3.0゚となり上下の顎関係が少し改善した。また,U1 to NAは30.0゚から28.5゚、L1 to NBは32.0゚から21.0゚となり上下顎前歯の唇側傾斜も改善した。

U 動的治療後 2年6ヶ月
保定は上下顎共に犬歯間にワイヤー固定を、さらに上顎にはプレートタイプリテーナーにより行った。
口腔内所見:上下顎とも歯列は安定しており、緊密な咬合が保たれた。

パノラマエックス線所見:上下顎両側第三代臼歯の萌出が認められた。

側面セファログラム所見:ANBは3.0゚から1.5゚となりそれに伴いU1 to NAは28.5゚から32.0゚となり上顎前歯の唇側傾斜を認めた。

考察
上顎前突の治療は習癖を伴った症例が多く、それが明確な歯列や咬合の形態変化になって現れているものや、この症例の様に治療を通じて発現してくるものもある。
このような場合、治療の途中からの筋機能療法を行う必要があるが、本人の自覚に欠ける為、モチベーションは低く協力性に欠けることが多い。この症例も、下唇噛みの癖が治療終了、保定後まで続いていたので、U1 to Naがやや唇側傾斜を呈していた。
私がクリアブラケットを使用する大きな理由のひとつとして、巣路と部の合成の高さと滑りの良さにある。トルクの大きなワイヤーにおいてもブラケットの変形が見られず、的確にトルクが掛かり且つ滑りが良いことである。
  終了時
終了時の画像

終了時の画像2



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